日米関税交渉が妥結し、日本はアメリカに総額80兆円規模の投資を行うことで合意した。関税率は当初の25%から15%に抑え込んだ形だが、果たしてそれは国益に見合う成果なのか。国家予算の約7割に相当する巨額の投資を差し出す代わりに、輸出産業の生命線を守ったと胸を張れるのだろうか。
赤澤経済再生担当大臣の粘り強い交渉姿勢や、官僚の調整努力は評価できる。しかし、肝心の「80兆円投資」の中身については具体的な説明が乏しい。航空機購入やインフラ投資といった項目が並ぶだけで、どの分野にどれほどのリターンが見込めるのかは不透明だ。国民にとっては単なる“アメリカへの献金”に映ってしまう。
しかも、この合意は参院選直前に発表され、政権の選挙対策に利用されたとの指摘もある。だが結果として与党は大敗を喫し、国民から支持を得るどころか不信感を招いた。巨額の資金を国外に差し出しながら説明責任を果たせない政権は、主権国家としての自覚を失っているのではないか。
「日本はアホですか?」と嘆きたくなるような交渉結果。米国の要求に唯々諾々と応じるだけでは、未来の日本経済はますます脆弱になる。国益を守る外交とは一体何なのか、根本的に問い直す必要があるだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5f693eaa8eed9ed104a3201f1a79e023e54c34b2


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